もしかしたら、愛猫ちゃんのこんな症状が不安になってネットで情報を集めていませんでしたか?
- 季節の変わり目でもないのに、地肌がみえるほど毛が抜け落ちる
- 痒いのか掻きむしったり体中を噛んだり舐めたり・・・発疹やかさぶたが!
- 毛がベタついている上にフケが増えた気がする
こんな症状の変化がみられた場合、まずは何らかの皮膚病に感染している可能性を疑ってみてください。
内臓疾患や尿路結石などの病気とくらべ、軽視されがちな皮膚病や皮膚炎。たしかに皮膚炎が進行して死に直結というわけじゃありません。
ただ放置したところで自然治癒しないことも多く、何より噛んだり舐めたりして傷から他の病気が感染する、ストレスが溜まって体調悪化なんてケースもあります。
またネコの皮膚糸状菌症(白癬・猫カビ・真菌症)という場合、飼い主さんもかなりの確立で感染します。1日でも早く治療を始めた方がよいでしょう。
今回はネコちゃんのかかりやすい皮膚病や皮膚炎の中から、要注意のものをいくつか紹介!
皮膚炎や皮膚病といっても原因もいろいろ。まずは症状から原因を探って、適切な治療法を見つけてみましょう!
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ネコの毛がハゲる!毛が抜け落ちる!まずは皮膚病を疑おう
単純に愛猫ちゃんの毛が抜け落ちたり、地肌が見えるほどはげてきた場合、真っ先に疑うべきは皮膚病や皮膚炎ですが、原因はさまざまで対処も変わってきます。
仮にストレスからくる脱毛ならば原因となるストレスを取り除くことが大切ですし、ノミやダニが寄生した皮膚病ならば最優先すべきは害虫の駆除です。
また単純にアレルギー体質のネコちゃんの場合、外的な要因でなキャットフードや住環境によって引き起こされた皮膚炎というケースもじゅうぶんに考えられます。
こんなネコちゃんの皮膚炎や皮膚病において、何より大切なのはその原因を探ること!
ここですね。
以下にネコちゃんにとって代表的な皮膚炎や皮膚病の症状と原因、治療法をまとめておきます。
皮膚病 | 状態 | 原因 | 治療と予防 |
---|---|---|---|
膿皮症 | 皮膚上で菌が異常繁殖し、化膿して膿を排出してしまった状態 | 免疫力と細菌の繁殖力のバランスが崩れることで炎症に | 抗菌クリームや軟膏抗菌シャンプー抗生物質の投与・ストレス管理 |
ノミ皮膚炎 | 患部の痒み、局所的な脱毛と小さな発疹 | ノミの唾液がアレルギー反応を起こし赤み・痒み | アレルギー反応をおさえる抗アレルギー薬、痒みをおさえる抗掻痒薬、滴下式・錠剤のノミ駆除薬 |
脂漏症 | フケの増加、発疹、毛のべとつき | 肥満細胞に異常、爪によるひっかき傷、栄養素の偏り、ビタミン・ミネラル不足 | ホルモン剤を投与、脂漏症に合わせた抗脂漏シャンプーの使用、ビタミン・ミネラルの補給 |
アトピー性皮膚炎 | 痒み、患部の乾燥、ひっかく・舐める、外耳炎や結膜炎 | 皮膚のバリア機能が低下、アレルゲンが皮膚を通じて体内に入る | ステロイドや抗ヒスタミン薬、丁寧にシャンプー、ダニや埃を避ける |
疥癬 | 耳の根本周辺を中心にフケ、発疹、かさぶた | ヒゼンダニが寄生して炎症を引き起こす | 薬剤を溶かしたお風呂に浸かりダニを退治、抗生物質の投与 |
皮膚炎や皮膚病の部位から原因をみつける!
愛猫ちゃんが何らかの皮膚病の疑いがる場合、余裕があればかかりつけの動物病院の獣医師さんに確認してもらうのが最善です。
やはりプロに診断してもらうのが、もっとも確実ですね。
ただ皮膚炎や皮膚病の多くは、発症している部位、そして皮膚の状態によってある程度は特定できます。
もちろん症状から皮膚病を特定して、必要ならすぐに動物病院を連れていくわけですが、事前に疑わしい皮膚病を知っておけば、すぐに受診すべきかという判断ができます。
以下、ネコちゃんがかかりやすい皮膚炎や皮膚病を部位ごとにまとめておきます。
首~背中が中心に毛が抜ける
ノミ皮膚炎とよばれるノミが寄生したことで起こるアレルギー性皮膚炎の場合、首~背中、太もものあたりの毛が抜け落ちるケースが多いです。
寄生したノミの唾液に対するアレルギー反応として患部を赤く腫らせ痒みを生じさせます。
- 首から背中、太ももなどの局所的な脱毛
- 小さな赤い発疹がプチプチ
こんな場合、まずはノミ皮膚炎の確立が高いといえます。
ちなみにウエットティッシュ等でネコちゃんの毛を拭き取って、ノミそのものか、点在するノミの糞を確認できます。
ただ多くの場合、ネコちゃんがグルーミングや掻きむしることでノミ本体は見つからないケースもあります。ノミ本体だけで判断せず、体中に糞があるかのチェックを行いましょう。
耳の周辺と顔全体の毛が抜ける
耳から鼻先にかけて、顔中心に抜け毛が目立つ場合は疥癬(ヒゼンダニ)を疑ってみてください。
疥癬は人間にも感染する皮膚病で、ヒゼンダニというダニの一種が寄生して角質層にトンネルを掘って産卵します。
このトンネルやヒゼンダニの分泌物、糞などに対するアレルギー性の皮膚炎が疥癬という状態
- 耳、鼻先、まぶたなどの脱毛
- 赤い発疹とかさぶた
こんな条件が揃った場合、まずは疥癬の疑いが強いといえます。
さまざまな皮膚炎や皮膚病がありますが、痒みの強さでは疥癬はトップクラスだといわれています。人間の場合も同様です。
よって痒みに耐えきれず掻き崩してしまい、傷口から他のバイキンが侵入・・・というケースもあります。注意しておきたい皮膚病のひとつですね。
尻尾の付け根の脱毛
脱毛が尻尾の付け根に限定されている場合、尾腺炎という皮膚病が濃厚です。
尾腺炎は通称『スタッド・テイル』とよばれるもので、尻尾の付け根にある尾腺という部分に炎症が生じたことが原因です。
- 尻尾の付け根から分泌物
- いつでも尻尾の部分を舐めたり、掻いたり
- 尻尾の周辺から微妙に悪臭がする
こんな場合、毛が抜け落ちる原因は尾腺炎の疑いが強いでしょう。
部位に関係なく全身に抜け毛が目立つ
上記に当てはまらない、局所的というか全身に脱毛がみられる・・・
こういった場合、単純にストレスが溜まって脱毛につながっているケースもあります。
ネコちゃんは言葉でストレスを伝えることができませんから、自分の背中や足を舐めたり噛んだりといった行動でストレスを表現します。
結果、ストレスを発散できずに脱毛してしまうのです。
まずはネコちゃんのストレスの原因を探って、ひとつずつ取り除いてげるように工夫してみましょう。
ただ注意したいのは、全身にの毛が抜け落ちる場合でも、肉芽腫とよばれる深刻な病気がきっかけとなっているケースも稀にあります。
この場合、1日も早く専門の獣医師さんの受診と治療開始が必要です。
飼い主さんが勝手にストレスによる脱毛だと決めつけた結果、肉芽腫が進行すれば大変です。念のため一度、動物病院を受診さあれることをおすおすめします。
【ネコにカビ!?】猫カビ・皮膚糸状菌症・白癬・リングワームとは?
ネコちゃんのかかる皮膚病の中でも、飼い主さんに感染するリスクの高い皮膚病・・・として有名なもののひとつが皮膚糸状菌症(白癬・リングワーム・猫カビ)とよばれるもの。
この皮膚糸状菌症(白癬・リングワーム・猫カビ)に感染した場合、たいていの場合、顔や足に局所的な円形の脱毛が確認できます。
また毛が抜け落ちた周辺の毛にはフケが増える、さらに悪化すれば赤いぶつぶつやかさぶたが生じ、強い痒みを生じさせる・・・といった特長も。
ちなみに人間でも白癬や真菌症は存在します。微妙に違いますが足の水虫や爪の水虫である爪白癬などは近い症状ですね。
皮膚糸状菌症(白癬・リングワーム・猫カビ)はどこから感染するの?
大きくわけると2つ。
他のネコちゃんや動物との接触による感染。もう1つが地面の土壌などに含まれる真菌から感染してしまうケース。
もちろん皮膚糸状菌症(白癬・リングワーム・猫カビ)のネコちゃんと接触させないことはもちろんですが、土から感染となると防ぐのも厳しいかと。
ただどちらにも共通していることは、ネコちゃんの免疫力が低下していなければ、2ヶ月程度で自然治癒します。
ネコちゃんを皮膚糸状菌症(白癬・リングワーム・猫カビ)から守るには、まず食生活や住環境を見直して、免疫力をアップさせて抵抗力を高めることが大切ですね!
【抵抗力の落ちたネコちゃんは要注意】
皮膚糸状菌症(白癬・リングワーム・猫カビ)が悪化するのは、子ネコちゃんの場合、ストレス等で免疫力が低下している場合、その他、すでに猫エイズウイルスに感染しているなど免疫力が低下している状態が大半です。
皮膚糸状菌症(白癬・リングワーム・猫カビ)になった場合の治療方法
もし愛猫ちゃんが皮膚糸状菌症(白癬・リングワーム・猫カビ)に感染した場合、
- 抗真菌薬の内服
- 真菌薬の入ったローションや軟膏
- 抗真菌薬の入ったシャンプーで薬浴
というのが主な治療方法です。
ただ内服で使用する抗真菌薬は、ネコちゃんの内蔵に負担も大きく、元気な成猫ちゃんならまだしも、子ネコやシニア猫にはリスクが高いです。
また抗真菌薬の入ったシャンプーでの沐浴も、感染部位によっては目に入ったり口に入ったりとおすすめできないケースもあります。
いずれにせよ、獣医師さんの判断に任せて治療法を決定しましょう。飼い主さんの自己判断で治療方法を決めないことです。
【まとめ】部位と皮膚の状態を確認!予防するにはキャットフードを見直して見る!
以上、ネコちゃんのかかりやすい皮膚炎や皮膚病の代表的な幾つかをピックアップしてまとめておきました。
まず愛猫ちゃんの毛がハゲてきた、局所的な抜け毛が目立つという場合、
- 脱毛している部位を特定
- 抜け落ちた部分の皮膚の状態を確認(発疹・丘疹・かさぶたの有無)
- ノミやダニのアレルギーというケースも疑って毛を拭き取って確認
これだけは最低限、動物病院に駆け込む前に自分で行ってみましょう。
中にはすぐに動物病院に駆け込むべきケースもあれば、自宅療養で改善するケースもあります。
動物病院に連れていく場合も、ある程度の症状を事前に確認しておくことで受診~検査の流れがスムーズに進みます。
また受診するタイミングを逃し、ある程度症状が収まった状態で受診しても、正確に診断してもらえないケースもあります。
なのでもっとも酷い状態を、スマホやデジカメで患部の状態を写真におさめておき、受診時に獣医師さんに確認してもらう
こんな方法もおすすめです。
皮膚病の多くは免疫力の低下が原因、食生活から予防する
また皮膚炎や皮膚病の多くは、免疫力の低下が影響している場合も少なくありません。
とくに皮膚糸状菌症(白癬・リングワーム・猫カビ)などは、免疫力さえ注意しておけばたいていは防げるし発症しません。
皮膚病が悪化して高額な療養食のフードを購入することを考えたら、普段から免疫力を高めるようなキャットフードをしっかり与えておく方が、ネコちゃんや飼い主さんにとってもはるかに得策ですよね。
もちろん飼い主さんの努力だけですべての皮膚病を予防することなど無理です。
ただ最低限、皮膚病のリスクを減らすためにも、栄養たっぷりの食生活、ストレスの溜まらない住環境だけでも見直してみると、意外と効果があると思います!
チェック 皮膚を強くしたいネコにおすすめの厳選フード比較!!