当ページをみてくれているということは、もしかしたら
愛猫ちゃんの、こういった軟便・水のようなウンチが心配で、解決法を探していませんでしたか?
普段は健康的なウンチの猫ちゃんが、急にお腹を下すと飼い主さんとしては不安になりますが、ネコだって人間のように胃腸の状態が悪い日もあれば、前日に食べたフードが合わなかった、寒さがこたえた・・・といった単純な原因で下痢にも便秘にもなります。
たいていは1~2日で元の状態に戻るはず…この時点では、そう慌てる必要はないでしょう。
ただ数日間様子をみても
- いっこうに便の状態が改善されない!
- さらに水っぽく変わってきた、嘔吐、発熱も!
こんな場合は何らかの病気のサインと考えた方がいいでしょう。
当ページではネコの下痢の原因や種類、こんな下痢の場合は自宅で治るのか?それとも動物病院に連れていくべきか?と判断する基準をわかりやすくまとめています。
ぜひ当ページを参考に愛猫ちゃんの下痢を冷静に判断してみましょう!
チェック お腹の弱いネコちゃんはフードとの相性が原因かも!?…消化のよい厳選フード!
ネコの下痢の原因
ネコちゃんが下痢してしまう理由はいろいろです。
- 食物繊維
- 水分・脂肪分の摂りすぎ
- 環境や気温・天候の変化によるストレス
など、小さな原因が組み合わさって起こることもあれば、ある特定の原因ということもあります。
例えばウィルス性、細菌性、原虫性、回虫又は寄生虫性の下痢というケースもあれば、食事の変化や過食によって腸内でのバランスを保ちながら共存している腸内細菌の集まり・・・いわゆる腸内フローラが崩れて下痢気味になることも。
中でも突然の下痢というシチュエーションで、もっとも疑わしいのが以下の原因だといわれています。
早速みていきましょう!
1.食事内容(フードの種類)
まず最初に疑ってもらいたいのが食事内容。
下痢をしたタイミングから遡って、キャットフードの種類を変えた、普段は与えないタイプのフードを試した・・・そんな場合はフードとの相性が悪くて上手く消化できなかったことが原因。
便の状態をチェックして未消化の残骸が含まれていれば、疑わしいフードをしばらくは控えてみた方がいいでしょう。
他にもフードに含まれる原材料の中に、何らかのアレルギーの原因となる成分が含まれている場合も下痢の大きな原因。
酸化防止剤として使用している原材料が体質的に合わなかったというケースでも下痢が生じることも意外と多いです。
不思議なもので、今までは問題なく食べていたフードでも、ある日を境に下痢を引き起こすということもあります。
フードの種類を変えていない・食べ過ぎでもない・・・こんな場合は念のため、与えているキャットフードの添加物、アレルギーを引き起こす物質を確認しておきましょう
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2.細菌・原虫・回虫に感染
下痢と同じタイミングで、嘔吐、食欲不振といった症状がみられた場合、細菌・原虫・回虫による下痢というケースを疑ってみましょう。
この場合、自宅で様子をみているだけでは脱水症状がひどくなるだけで完治できません。動物病院を受診し、抗生物質など細菌・原虫・回虫を取り除くための治療を始めてください。
ただ抗生物質は細菌・原虫・回虫には効果があるものの、腸内バランスを整えるための常在菌を殺してしまいます。結果、他のタイプの下痢で服用すれば悪化、他の疾患につながることも。
かかりつけの獣医師さんの判断で、細菌・原虫・回虫による下痢と確定したとき以外は自己判断で抗生物質を与えないこと。この部分は覚えておきましょう。
3.その他の原因
たいていは上記のような理由とした下痢ですが、稀に以下のケースもあります。
- 異物を飲み込んだ
- ストレス
- 加齢による内臓疾患
飼い主さんが何の気なしに置いておいた紐やボタン、コンビニのビニール袋などの異物を飲み込んだことが原因で下痢を引き起こすケース。
腸閉塞になる前に、早めに動物病院を受診しておきましょう。
また見落としがちですが
- 引っ越しや旅行で知人に預ける等、住環境が変わった
- ずっと与えていたお気に入りのフードから他のフードに急に切り替えた(フードの値段とか関係なく)
- 飼い主さんが忙しいため、スキンシップが著しく減った。構ってあげられない
こういった住環境や食事の変化によっても下痢するネコちゃんもいます。
また一緒に遊んであげないことが原因で運動不足になっていることも、基礎代謝が落ち込んで腸内の働きが悪くなり下痢の原因になることも。
このあたり、人間とまったく同じなんですね。
また5~6歳以上のシニア猫という場合、慢性的に下痢(軟便)という場合は、生活習慣病など何らかの内臓疾患というケースも。
数日に1回程度、軟便の時がある・・・というレベルならば神経質に考えることもありませんが、あまりに軟便が続く場合は他の内臓疾患からくる下痢を疑ってみましょう。
一度、動物病院で検査してみることも検討してください。
小腸性の下痢と大腸性の下痢
さて、ネコが下痢になる原因や理由を知った上で、下痢のタイプについて知っておきましょう。
まず大きく分けて象徴性の下痢と大腸性の下痢の2つにわけることができます。
小腸性の下痢を治すには
小腸性の下痢の初期段階ならば、まず脱水症状、と血液中のイオン・バランスを整えること。
下痢の初期段階では、まず腸管をしっかりと休める必要があります。できれば丸24時間程度、食べ物を口にさせずに絶食させましょう(飲水のみ)。
たいていは絶食することで腸管が整い症状は改善され始めます。
また下痢症状が徐々に改善し始めた場合、栄養面よりもとにかく消化吸収率の高い食事を徐々に与えるようにしてください。
ネコちゃんが食べたいだけ食事を与えてしまえば胃腸に大きな負担がかかります。与え始めは少量ずつ、なべく回数に分けて与えてください。
食事内容はなるべくウェットフードのような消化吸収力の高いフード、またはミルクやぬるま湯でふやかしたペースト状のフードをちょっぴり温めて与えると消化・吸収がよく負担がかかりません。
大腸性の下痢を治すには
大腸性の下痢が疑わしい場合、まずはウンチの状態を調べて寄生虫の有無を確認してみてください。
そしてウンチの中に寄生虫の卵ができない場合でも、念のため駆虫剤を与えておきましょう。
また慢性的な下痢が長引いている場合、細菌性毒素による中毒症の下痢、神経性の下痢、アレルギーを原因とした下痢の可能性もあります。
こういった大腸性の下痢をしているネコちゃんの場合
- 食物繊維の多いフード
- カスになる部分(残渣)の少ないフード
- 低アレルゲンなフード
といったキャットフードを利用してみましょう。
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食物繊維を多めに摂取することで、腸の分節作用が適正化され、体内の水分吸収が促されます。
体内で食物繊維がスポンジのような水分を吸収する役割を果たし、下痢気味のウンチから水分を奪ってを硬くします。
またウンチをチェックして残渣が多少でも目立つ場合、より残渣の少ないフードに変えてあげるのも良い方法です。
炎症性大腸炎
大腸性の下痢の中でも、ネコちゃんが下痢や嘔吐繰り返す場合、炎症に関する細胞が影響しているリンパ球性大腸炎、形質細胞性大腸炎という可能性もあります。
この炎症性大腸炎の場合、原因がハッキリと特定されていませんが、一種の過敏症の反応です。
何らかのアレルギーが原因という可能性もあるので、低アレルギー性のフードに変えることでパタッと改善されることもあります。
下痢の中にも、通常より柔らかめのウンチ、完全に水のようなウンチといろいろです。
中でも柔らかめのウンチという場合、普通に食欲もあって活発に行動していれば、そう心配する必要はないでしょう。たいていは半日~1日で通常の硬さのウンチに戻ってくるはずです。
脂肪分の多いフードや過剰に水分を摂りすぎたこと。または季節的に急に冷え込んだこと。こういった単純な原因なので放っておいても自然と治ります。
2日経っても下痢がずっと収まらない場合、他の原因を考えてみましょう。
こんな下痢には要注意!放置すると危ないタイプの軟便
ウンチの状態が徐々に柔らかくなっている! 2日以上、軟便が続く!
こんな場合、食べ合わせやフードとの相性、環境や疲れといった単純な下痢でなく、何らかの深刻な病気からくる下痢という可能性もあります。
症状によっては早期に動物病院を受診する必要もあるので、症状をしっかり観察しておきましょう!
下痢が続いている期間から考える
そもそもネコは他の動物よりも下痢や嘔吐しやすい動物。
なので1回だけの下痢や嘔吐なら、そう慌てる必要もありません。
ただ先に述べたように1日経過してもウンチの状態が戻らない、悪化している場合は病気や疾患のサインと考えてみた方がいいかもしれません。
基本的に単純な下痢の場合、24時間以内に戻ります。よって1日以上続く場合は何らかの対応が必要となってきます。
まずは最初の下痢から丸1日、様子をみてから判断されることをおすすめします。(激しい嘔吐や発熱、元気が無い場合はのぞく)
24時間以上が経過して、明らかに症状が悪化している場合は迷わず動物病院へ連れて行きましょう。
下痢と同時にみられる症状から考える
下痢が続いている期間とならび、下痢を見分ける基準として考えてもらいたいのが、下痢と同時に併発している症状。
もし下痢や軟便だけでなく、
- ウンチに血液や粘液がみられる
- 下痢と嘔吐を繰り返している
- 脱水症状や貧血気味
- 発熱
こういった症状がみられた場合、動物病院を受診すべきケースかもしれません。
自宅療養くらいでは症状が悪化するだけで、最悪な場合、自宅で様子をみているうちに脱水症状が進行して衰弱します。
とくに子ネコちゃんや体力の落ち始めたシニア猫ちゃんの場合、最悪、命の危険もあるので、早めに動物病院を受診しておきましょう。
動物病院を受診する!その前に訊かれる内容をメモする
下痢の症状が改善されない、下痢だけでなく嘔吐や発熱、ウンチに血液が混じっている・・・こんな場合は動物病院を受診するのが肝心です。
とりこし苦労かもしれませんが、万が一の可能性を考えたら早めに受診しておいた方が安心ですね。
そこで動物病院にネコちゃんを連れていく場合、獣医師の先生に訊かれる質問はだいたい決まっています。
処置室でアタフタしないよう、連れていく前にネコちゃんの状態を予めチェックして、具体的に応えられるようメモしておくことをオススメします。
【動物病院で先生に伝えるべき症状】
- いつ頃から下痢・軟便が続いているのか?
- ウンチの状態は?完全に液体か?柔らかいウンチか?
- 1日に何回、下痢のウンチがしているのか?(頻度)
- ウンチに血液や粘液が混じっていないか?
- ウンチ以外の変わった部分、食欲の有無、嘔吐、脱水症状
- 下痢する前にくらべ、ウンチに悪臭はないか?
最低限、上記の項目だけでもチェックしておけば、獣医師の先生もスムーズに診察・治療が進められます。
またスマホで便の状態を撮影し、医師に確認してもらうという手もあります。
とりあえず、下痢が始まってから仕草や行動で気になる異変がある場合、無関係だと思えても伝えてみましょう。
下痢はさまざまな病気や疾患の初期症状だったりします。意外なネコちゃんの変化が原因究明の糸口となるかもしれません。
もし動物病院に連れていく場合、原因を特定するのに役立つのがウンチを持参すること!
ウンチには下痢の原因となる情報がつまっています。下痢のウンチを検査することで細菌やウイルス、寄生虫などが確認できるため、それだけ診察や検査がスムーズ進みます。
小さな容器、紙コップ等に採取して持ちんでみる方法もおすすめします。
緊急性はないが頻繁に下痢になるネコの対処法
上記のように、下痢がずっと続く・下痢以外の症状も併発している。
こんな場合、まずは動物病院を受診するのが賢明ですが、中にはすぐに治る下痢が頻発するという場合もあるでしょう。
こういった下痢の場合、
- 食事内容がネコちゃんの胃腸の状態に合っていない
- 添加物やアレルギー物質が腸内環境のバランスを崩している
というケースも。
多少の下痢は仕方ないにしても、長期的にみればフードを見直して、食物繊維の量や低アレルギーのフードを試してみた方がよいかもしれません。
また消化・吸収が追いついていない場合、消化吸収を重視してフードを選んでみましょう。
本来は動物病院で、しっかりと愛猫ちゃんのアレルギー・テストを行うのが理想的ですが、アレルギー体質かわからない場合、とりあえずは可能性の高い物質は控えておいた方がいいでしょう。
とりあえず下痢の症状がおさまるまでは
- 食物繊維の多いフード
- カスになる部分(残渣)の少ないフード
- 低アレルゲンなフード
という部分を中心に、キャットフードを選んでみてください。
もちろん消化・吸収のよいフードは下痢気味の弱った胃腸には効果的ですが、下痢が治っても与え続けていると、逆に胃腸の活動を弱めてしまうことも・・・。
多少の穀類は腸内のはたらきを高める効果もあります。
いずれにせよ、ネコちゃんの年齢や胃腸の状態によってベストなキャットフードは変わってきます。
価格や量、ブランドや販売元などの情報だけで決めつけず、ネコちゃんの体質に合ったフードを納得するまで選んでください。
チェック お腹の弱いネコちゃんはフードとの相性が原因かも!?…消化のよい厳選フード!
まとめ
以上、ネコの下痢の原因と下痢気味のネコちゃんの改善方法についてまとめておきました。
そもそもほかの動物に比べネコちゃんは胃腸がデリケートな動物です。
また個体差もありますが、理由もなく下痢や嘔吐を繰り返すタイプのネコも結構多いです。なので一度の下痢なら慌てず冷静に様子を見守ってください。
まず下痢気味だと気づいたら・・・
- ウンチの状態をじっくりとチェック!
- 無理にフードを与えず、脱水症状と血液中のイオンのバランスを整える(引水だけ)
- 食事を与える場合は消化・吸収のよい、残渣の少ない、低アレルギーのフードを少量ずつ
これらに注意して様子をみましょう。
もし上記の3つを注意しても2日以上続く場合、脱水症状から衰弱して他の病気や疾患につながることもあります。
その場合はダラダラ様子をみないで、早めに動物病院を受診しちゃった方が猫ちゃんも自分も安心だと思います。
一方、数日おきに下痢をする、連続ではないが下痢を頻発する・・・こんな場合、毎日の食事内容、つまりフードとの相性を見直す必要があるでしょう。
試しに主原料や添加物アレルギーアレルギー物質といった内容成分の違うフードを試してみることをおすすめします。
たかが下痢といっても、じつは深刻な病気や疾患のサインというパターンもあります。なので「元気があるから大したことない」と決めつけてしまうのも危険です。
当ページでお伝えしたように、動物病院に連れて行くかどうかの判断は下痢が始まってから24時間。この間、しっかりとネコちゃんの行動やウンチの状態をチェックしてください。
とりこし苦労かもしれませんが、明らかに回復した場合は別として、微妙な状態だったら念のため受診した方が安心だと思いますよ!